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by tas

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金 週次レポート ▸ 2026-W27 (6/29〜7/3)

金は反発したが楽観は戻らず。高い実質金利と冷えたセンチメントを読む週

1. 今週の一言要約

2026-W27の金は、前週の下落を取り返す形で反発しました。yfinance futures系列の週次データでは、週初4,057.5ドルから7月3日時点で4,190.9ドルへ上昇し、週次騰落率は+3.29%でした。前週W26は-2.12%の下落だったため、価格だけを見れば「押し目後の戻り」です。ただし、今回の特徴は、価格が戻ったのに市場心理は戻っていない点です。サイト補正後センチメントの週平均は-0.5225、直近値は-0.72まで悪化しました。Google Trendsのgold priceも3カ月系列は56、1年系列は29で、検索需要は残っているものの過熱とは言えません。したがって今週の金は、強い反発というより「不安を抱えたままの買い戻し」と見るのが自然です。

2. 価格動向とチャート振り返り

Gold/Silver Ratio (Stooq EOD close)

Source: Stooq end-of-day spot close series (xauusd / xagusd).

今週の価格データはyfinance futures系列です。週初は4,057.5ドル、週末時点は4,190.9ドル、週中高値は4,208.3ドル、安値は3,962.5ドルでした。レンジ幅は245.8ドル、始値比で6.06%と大きく、単純なじり高ではなく、週中に下を試してから戻した形です。終値水準は1年パーセンタイル43.30、3年パーセンタイル80.95です。1年レンジでは中位近くまで下がっていますが、3年で見るとまだ高水準です。3カ月騰落率は-10.00%、1年騰落率は+25.58%で、短期調整と長期上昇の両方が同時に残っています。

20日年率ボラティリティは29.91%で、1年パーセンタイル71.26、3年パーセンタイル88.29です。前週W26の29.96%とほぼ同じで、価格は戻っても不安定さは解けていません。金銀比は66.22で、前週比-3.85%、3年パーセンタイル17.25です。つまり金が上がった週でも、銀のほうが相対的に強く、貴金属内ではリスク許容度が少し戻った可能性があります。一方、金WTI比は55.97、3年パーセンタイル82.35で、エネルギーに対する金の相対水準はなお高めです。

3. 機関投資家の動き

CFTCの最新利用可能データは2026年6月23日です。マネーマネージャーのロングは131,102枚、ショートは15,707枚、ネットは115,395枚でした。前週比では+1,674枚の増加です。W26で確認できたネット105,863枚から見ると、投機筋は少し買い戻しています。ただし、ネットポジションの1年パーセンタイルは54.90、3年パーセンタイルは43.87です。歴史的に極端な買い越しではなく、価格水準の高さに比べるとポジションはまだ中庸です。

この組み合わせは、強気にも弱気にも読み切れません。強気材料は、価格反発に対してCOTが過熱していないことです。買いがすでに飽和している局面ではなく、追加の資金流入余地は残っています。弱気材料は、COTの増加幅が小さいことです。+1,674枚は方向としては買いですが、価格を4,200ドル台へ定着させるほどの確信的な買いではありません。60日ベータはQQQに対して0.54、252日ベータは0.05で、金は短期的には株式市場の揺れを少し受けますが、長期ではハイテック株の代替物ではありません。今週の反発は、株式リスクオンだけで説明するより、前週下落後の買い戻しと見るべきです。

4. マクロ環境チェック

マクロ面は、金にとってやや重いままです。DXYは120.8866で、3カ月変化率は+0.38%、1年変化率は+1.38%、1年パーセンタイルは83.67です。前週W26ではDXYの3カ月変化率が-0.73%でしたが、今週は小幅プラスへ転じました。ドル安が金を支える構図は弱まっています。米10年名目金利は4.48%で、3年パーセンタイル83.40です。10年ブレークイーブンは2.23%と低位で、3年パーセンタイル15.91にとどまります。その結果、10年実質金利proxyは2.25%、3年パーセンタイル94.24まで高止まりしています。

実質金利がこれだけ高いと、金の保有コスト面では明確な逆風です。にもかかわらず価格が反発したのは、マクロが強く支えたからではなく、前週までの売りが行き過ぎたこと、そして安全資産としての需要が一部残ったことが大きいと考えます。VIXは16.59まで低下し、3年パーセンタイル53.05です。HY OASも2.74%、3年パーセンタイル12.12で、信用市場は危機モードではありません。WTIは71.87ドルで3カ月-36.96%。インフレ再加速懸念は前週より和らいでいます。総合すると、金にとって一番の問題はリスクオフではなく、高い実質金利とドルの下支えです。

5. 需給とセンチメント

今週の金関連記事は19本でした。前週W26の26本から減り、ニュース量はやや落ち着きました。平均raw scoreは-0.042263で、方向感はほぼ中立です。一方で、サイト補正後センチメントはかなり弱く、週平均-0.5225、直近-0.72でした。これは前週の週平均-0.032、直近+0.10から大きな悪化です。価格は上がったのにセンチメントが下がったため、市場参加者は「上がったから安心」ではなく、「戻りはあるが持続性に疑問」という見方を強めた可能性があります。

Google Trends 3M (gold price)

Source: Google Trends daily 3-month series (gold price).

Google Trendsの3カ月系列は56で、前週の62から低下しました。3年パーセンタイルは60.36です。1年系列は29で、前週と同水準ながら、3年パーセンタイルは35.21にとどまります。検索需要は消えていませんが、熱狂的な水準ではありません。COTも中庸、検索も中庸、ニュースセンチメントだけが弱いという組み合わせです。これは、投機の過熱崩壊というより、上昇への信頼がまだ戻っていない局面です。

6. 今週の洞察と来週の注目ポイント

前週W26では、4,138.7ドル近辺の安値を守れるか、実質金利proxyが2.23%からさらに上がるか、COTネット105,863枚が減少継続かを見ていました。結果として、価格は一度3,962.5ドルまで下げたものの、週末時点では4,190.9ドルまで戻しました。安値割れはありましたが、下方向に走り続けたわけではありません。実質金利proxyは2.25%へ小幅上昇し、金への逆風は残りました。COTは115,395枚へ増え、投機筋の売り崩れ懸念は後退しました。

ここからの仮説は、「金は底割れを回避したが、まだ強気相場へ復帰したとは言い切れない」です。価格は+3.29%と強い一方で、3カ月ではまだ-10.00%です。3年で見た価格水準は高く、実質金利はさらに高い。反発をそのまま追うには根拠が薄く、かといってCOTや検索需要を見る限り、売りが過密になったわけでもありません。来週は3点を見ます。第一に、4,200ドル台へ乗せて定着できるか。第二に、10年実質金利proxyが2.25%から低下に転じるか。第三に、サイト補正後センチメントが-0.72から改善するかです。価格、金利、心理の3つがそろえば反発の信頼度は上がります。価格だけが先行するなら、戻り売りに警戒したい週です。

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