金価格は週間3.07%安、COTは3,099枚増で押し目を受け止める
① 今週の一言要約
今週の金は4,673.4ドルから4,529.9ドルへ下落し、週間騰落率は-3.07%でした。ただし、CFTCのネットロングは前週から3,099枚増え、サイト補正後センチメントも週平均+0.0214と小幅なプラスです。価格調整の一方で、機関投資家とニュース心理が全面的に崩れていないことが今週の核心です。
② 価格動向とチャート振り返り
週次価格は先物系列で、8月24日の週初値4,673.4ドルに対し、8月28日の終値は4,529.9ドルでした。週中高値は4,755.0ドル、安値は4,495.0ドル。260.0ドル動き、週初値に対するレンジは5.56%、週間騰落率は-3.07%です。高値を試した後に売り直され、終値は週中安値に近い位置でした。前回確認できるW32では4,300ドル台の維持が観測点でしたが、今回は4,500ドル台を保っており、価格帯そのものは切り上がっています。
終値は過去3年で87.40パーセンタイルと高値圏です。3カ月騰落率は+0.52%とほぼ横ばいですが、1年では+31.21%を維持しています。20日年率ボラティリティは23.95%で、過去3年の80.85パーセンタイル。上昇基調が消えたというより、高い価格帯で値幅が広がり、利益確定が出やすくなった週と読めます。
Spotの相対価格にはStooqのEOD終値系列を使っています。金銀比価は67.62で前週比+0.35%、過去3年では18.64パーセンタイルです。金は銀に対してわずかに優位でしたが、長い目ではなお銀優位の水準です。金WTI比価は53.56、前週比-0.20%。金の下落を原油の動きが相殺する展開にはなりませんでした。

Source: Stooq end-of-day spot close series (xauusd / xagusd).
③ 機関投資家の動き
CFTC COTの最新利用可能データは8月25日です。マネーマネージャーのロングは159,819枚、ショートは15,072枚、差し引きネットロングは144,747枚。前週から3,099枚増えました。価格が週を通じて下げるなかでも、投機筋は買い持ちを減らさず、むしろ積み増したことになります。
ネットポジションは過去1年で90.38パーセンタイルです。過熱と決めつける水準ではないものの、直近1年ではかなり厚いポジションです。このため、COTの増加は下値を受け止める材料になる一方、価格が4,500ドルを割り込めば、積み上がった買いの手じまいが値幅を広げる可能性もあります。
前回確認できるW32では、ネットロング119,795枚に対して価格だけが先行していることが課題でした。今回は144,747枚まで増え、機関投資家が価格上昇に追随した点が変化です。ただし、COTは火曜日時点なので週後半の下落をすべて織り込んではいません。次回公表で増加が続くか、反転して減るかが重要です。
④ マクロ要因チェック
マクロ環境は、ドルと金利が逆方向のシグナルを出しています。DXYは118.7479で、3カ月変化率は-0.35%、1年変化率は-1.21%。過去3年の7.61パーセンタイルと低く、ドル水準は金を支えやすい位置です。
一方、米10年名目金利は4.73%、ブレークイーブンは2.31%、差し引きの実質金利は2.42%です。実質金利は過去3年の97.33パーセンタイルにあり、金の保有コストという面では明確な重しです。VIXは14.43、米HY OASは2.60%で、市場ストレスは低いまま。安全資産需要が一気に強まる環境でもありません。

今週の下落は、ドル高だけで説明するより、高い実質金利と高値圏での利益確定が重なったと見る方が自然です。ドルの低さが下支えする一方、実質金利が上値を抑える構図は前回から変わっていません。
⑤ 需給とセンチメント
金関連記事は24本で、生スコア平均は+0.524188でした。週後半にトーンが上向き、8月28日の生スコア平均は+1.39025です。ただし主指標のサイト補正後センチメントは、週平均+0.0214に対して直近-0.06。週全体では中立よりわずかに明るいものの、終盤には慎重さが戻りました。

Google Trendsの「gold price」は、3カ月系列が66で前日比-12.00%、過去3年の63.57パーセンタイルです。1年系列は35で、前週の31から+12.90%。短期の日次関心は週末に一服しましたが、週次で見る検索関心は増えています。価格下落を受けて相場を確認する動きが増えた可能性はありますが、検索増だけで強気需要とは判断できません。

Source: Google Trends daily 3-month series (gold price).
COTの買い増し、週平均で小幅プラスのニュース心理、1年系列で増えた検索関心は、調整局面でも需要が消えていないことを示します。一方、COTは直近1年で厚く、補正後センチメントの直近値はマイナスです。需給は底堅いものの、楽観が広がっている状態ではありません。
⑥ 今週の洞察と来週の注目ポイント
前回確認できるW32では、4,300ドル台の維持、COTの再増加、補正後センチメントの改善を観測点にしました。今回、価格は4,529.9ドルと水準を切り上げ、COTは144,747枚へ増加、週平均センチメントも+0.0214まで戻りました。三つの条件は方向として進展しました。ただし、週間では3.07%下げ、直近センチメントも-0.06です。価格帯の切り上げと、足元の調整を分けて考える必要があります。
来週の第一の観測点は4,500ドルです。終値で維持し、週中高値4,755ドル方向へ戻せるなら、今週の下げは高値圏の調整として整理しやすくなります。反対に4,500ドルを明確に割り、COTネットロングが144,747枚から減少へ転じるなら、機関投資家の支えが弱まったと判断できます。
第二は実質金利です。2.42%から低下すれば、低いDXYと組み合わさって金の上値を支えやすくなります。高止まりする場合は、ドルが低位でも戻りは鈍くなりやすいでしょう。第三は心理です。補正後センチメントが直近-0.06からゼロを回復し、Google Trendsの週次関心も維持されるかを見ます。価格、COT、心理の三つが同時に上向くまでは、上昇再開を断定せず、4,500ドルを軸に調整の深さを測る週です。