メタルズビジョン貴金属ニュースセンチメント・マクロ分析

by tas

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金 週次レポート ▸ 2026-W40 (9/28〜10/2)

金価格3.5%安、COT7,071枚減と実質金利2.92%が重荷

① 今週の一言要約

金価格は週間で3.5%下落し、COTネットロングも7,071枚減った。実質金利は2.92%へ上昇し、補正後ニュース心理もマイナス圏。前週から続く調整は、価格だけでなく持ち高とマクロ環境の弱さを伴う局面へ進んだ。

② 価格動向とチャート振り返り

今週の金先物参考値は、9月28日の週初値4,315.0ドルから10月2日の週末値4,162.3ドルへ下落し、週間騰落率は-3.5388%となった。週中高値は4,315.6ドル、安値は4,143.1ドル。値幅は172.5ドル、週初値に対するレンジは3.9977%だった。週初からほぼ一方向に水準を切り下げ、安値からの戻りも19.2ドルにとどまった。前週の-2.0802%に続く下落で、2週続けて調整が進んだ形だ。

前回は、4,278.3ドルの安値を維持できるか、実質金利が2.83%から低下するか、COTと補正後センチメントが落ち着くかを観測点にした。結果は4,278.3ドルを割り込み、実質金利は2.92%へ上昇、COTは7,071枚減った。補正後センチメントだけは前週末の-0.49から直近-0.19へ戻したものの、週平均は-0.2657とマイナス圏に残った。したがって、前週の調整が持ち高整理だけで終わるという条件は、今週時点では満たされていない。

終値は3か月前比-0.1248%とほぼ横ばいまで押し戻された一方、1年前比では+7.1122%を保つ。過去3年の終値分布では74.68パーセンタイルであり、長めに見れば上位4分の1付近だが、足元の方向は明確に弱い。20日年率ボラティリティは16.6574%。過去1年では9.16パーセンタイル、過去3年では52.06パーセンタイルと差が大きく、直近1年とそれ以前で値動きのレジームが異なることにも注意したい。

Gold/Silver Ratio (Stooq EOD close)

Source: Stooq end-of-day spot close series (xauusd / xagusd).

上図のスポットはStooq系列のEOD終値を使用している。金銀比は69.3983で、前週末比+3.1772%。金そのものは下落したが、銀に対しては相対的に底堅かった。金の対WTI比率は42.5202、前週末比-16.1345%である。WTIが97.89ドルまで戻したため、エネルギーとの比較では金の相対価値が大きく低下した。

③ 機関投資家の動き

CFTC COT(9月29日時点)では、マネーマネジャーのロングが131,711枚、ショートが11,393枚、ネットロングは120,318枚だった。前週の127,389枚から7,071枚減り、4週連続の縮小となった。内訳ではロングが3,988枚減り、ショートが3,083枚増えている。前週は主に強気筋の持ち高整理だったが、今週はロング解消に加えてショート増加も重なり、ポジション変化の弱さが一段濃くなった。

ネットポジションは過去1年の63.46パーセンタイルで、極端な買われ過ぎではないものの中央値を上回る。まだ買い持ちの厚みは残っているが、価格下落とネットロング縮小が同時進行しているため、その厚みを下値支持とみなすのは早い。次回は、ネット減少が止まるかに加え、今週増えたショートがさらに積み上がるかを分けて確認する必要がある。

④ マクロ要因チェック

Key Macro Tracker

金への主な重しは金利だった。10月2日の米10年名目金利は5.28%、ブレークイーブン・インフレ率は2.36%、差し引きの実質金利は2.92%。前回確認した2.83%からさらに上がり、利息を生まない金の相対的な魅力を抑えた。DXYは121.3848とドル高水準を維持しており、直前観測から0.3312%下がった程度では金への追い風になり切らなかった。

一方、VIXは15.31と落ち着き、安全資産への切迫した需要は見えにくい。WTIは97.89ドルまで上昇しているが、インフレ期待は2.36%で横ばいだったため、実質金利を押し下げる力にはならなかった。今週はドルの小幅低下よりも、名目金利と実質金利の上昇が価格形成で優勢だったと読める。

⑤ 需給とセンチメント

今週の金関連記事は44本。サイト補正後ニュースセンチメントは週平均-0.2657、直近値-0.19だった。週初の-0.50から10月1日に-0.11まで改善し、週末も前週末の-0.49よりは高い。ただし週間を通じてマイナス圏を抜けず、価格下落を打ち消すほどの楽観は戻っていない。アジアでは価格下落を受けた買い需要の改善が主要トピックになったが、ニュース全体の心理はなお慎重だった。

Precious Metals Combined Sentiment Score Trend
Google Trends 3M (gold price)

Source: Google Trends daily 3-month series (gold price).

Source: Google Trends (gold price), daily 3-month and weekly 1-year series.

Google Trendsの「gold price」は、3か月系列の直近値が38で前日比-11.6279%。1年系列も19で、前週の23から-17.3913%だった。1年系列の19は過去1年の1.89パーセンタイルに位置し、価格が大きく下がっても検索関心は広がっていない。COT縮小、補正後心理のマイナス、検索関心の低さが並び、需給・センチメント面から積極的な参加拡大を示す材料は乏しい。

⑥ 今週の洞察と来週の注目ポイント

今週の核心は、前週に挙げた下げ止まり条件の多くが崩れ、調整の質が弱くなったことだ。価格は-3.5388%、COTネットロングは7,071枚減、実質金利は2.92%へ上昇した。前週はロング整理が中心だったCOTも、今週はショート増加を伴った。補正後センチメントは週後半に持ち直したが、価格とポジションの悪化を反転させるには至っていない。

ただし、弱い材料をそのまま長期トレンドの転換と読むのも早い。終値は1年前比+7.1122%で、過去3年の水準分布では74.68パーセンタイルにある。アジアの現物需要が価格下落で改善したというニュースも、安値圏での需要反応を示す小さな手がかりだ。重要なのは、こうした需要が先物の持ち高縮小と高い実質金利を吸収できるかである。

来週は三つを確認したい。第一に、今週安値4,143.1ドルを保ち、前週安値だった4,278.3ドルを終値で回復できるか。第二に、実質金利が2.92%から低下へ向かうか。第三に、COTネットロングの減少幅が縮まり、補正後センチメントがゼロ近辺まで戻るかだ。安値を割り込み、ショート増加と実質金利上昇が続くなら、調整の長期化を示す材料が増える。反対に、価格が4,278.3ドルを回復し、金利かCOTのどちらかが改善すれば、下落圧力が和らいだと判断しやすい。

検索関心にも注目したい。価格が動いたにもかかわらず1年系列は19まで低下しており、今の相場は一般参加者の熱狂より、金利と機関ポジションの変化に左右されている。Google Trendsが低いまま価格だけが戻るのか、それとも検索関心の回復を伴うのか。来週は価格の方向だけでなく、戻りを支える参加の広がりまで見極めたい。

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