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by tas

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金 週次レポート ▸ 2026-W44 (10/26〜10/30)

金価格は2.8%安でもCOTは増加。売りを吸収し始めたのか

① 今週の一言要約

金は週初の4,012.20ドルから3,898.90ドルへ下落し、週間騰落率はマイナス2.82%だった。前週の3.68%安に続く調整で、節目の4,000ドルも終値では割り込んだ。ただし、今回は前週と違って投機筋のネットロングが1,356枚増え、サイト補正後センチメントも週平均+0.3017まで改善した。価格だけを見れば弱いが、ポジションと心理は売り一辺倒ではない。今週の焦点は「下落継続」そのものより、4,000ドル割れの売りを新しい買い手が吸収できるかに移った。

② 価格動向とチャート振り返り

Gold Article Count Trend

金価格はStooq系列で週初4,012.20ドル、週末3,898.90ドルとなり、113.30ドル、率にして2.82%下落した。前週も3.68%下げており、二週続けての調整である。4,000ドル割れは短期的には弱気材料だが、下げ幅は前週より縮小した。20日年率換算ボラティリティは19.08%。過去1年の20.61パーセンタイルと低い一方、過去3年では61.57パーセンタイルだ。足元はパニックというより、高値圏から水準を切り下げる調整と考えるほうがデータに合う。

前週記事では「4,000ドルを守れるか」を第一の観測点にした。結果は終値ベースで下抜けとなり、価格面の反発仮説は未達だった。ただ、割れた直後にボラティリティが歴史的高水準へ跳ねたわけではない。したがって、次に見るべきは3,900ドル近辺で下げ止まるか、4,000ドルを早期に回復できるかである。反発しても4,000ドルが上値抵抗に変わるなら、調整はまだ終わっていない。

③ 機関投資家の動き

CFTCのMoney Managerネットポジションは105,562枚で、前週から1,356枚増えた。前週は価格下落と同時に3,898枚減少していたため、今週は構図が変わった。金価格が2.82%下げるなかでネットロングが増えたことは、少なくとも一部の投機筋が下落を手じまいの合図ではなく、建玉を戻す機会として扱った可能性を示す。

ただし、水準そのものは過熱していない。ネットポジションは過去1年の42.31パーセンタイル、過去3年では24.36パーセンタイルである。長期的な位置づけを示す過去3年を主に見ると、投機筋の建玉は軽く、上昇再開時の余地は残る。来週、価格が4,000ドルを回復しながらネットロングも増えれば再参加の信頼度が上がるが、価格下落とともに建玉が減るなら、今週の増加は一時的な逆張りだったと判断したい。

④ マクロ要因チェック

Macro Tracker

金にとって逆風と追い風が同居している。米10年名目金利は4.98%、10年BEIは2.34%で、差し引きの実質金利代理値は2.63%だった。前週記事で確認した2.76%からは低下しており、この変化は利息を生まない金にとって下支えになりやすい。それでも価格が下げたため、今週は実質金利低下だけでは調整を止められなかったことになる。

一方、ドル指数は121.3202で過去1年の90.98パーセンタイルにあり、ドル高水準は引き続き金の重荷だ。VIXは17.2で過去1年の51.95パーセンタイルと中立圏に近く、全面的な恐怖相場による安全資産買いはまだ強くない。WTIは103.37ドルで過去3年の96.37パーセンタイル、米ハイイールドOASは3.26%で過去1年の95.02パーセンタイルだった。インフレ圧力と信用不安の芽は金の中期的な支援材料になり得るが、短期では高い名目金利とドルが上値を抑えている。単独指標で方向を決めず、「実質金利低下が続くか」「ドルが高値圏から離れるか」を組み合わせて確認したい。

⑤ 需給とセンチメント

Precious Metals Combined Sentiment Score Trend

今週の金関連記事は42件。主指標であるサイト補正後センチメントは週平均+0.3017まで改善した一方、直近値はマイナス0.10だった。週全体では前向きな材料が増えたが、週末時点では慎重さが戻っており、心理が一直線に強気へ転換したわけではない。補助指標の生スコアは週平均+0.23272だが、媒体ごとの偏りを含むため、判断の中心には置かない。

Google Trends 3M (gold price)

Source: Google Trends daily 3-month series (gold price).

Google Trendsの「gold price」は3か月系列が100、1年系列が25となった。短期検索は上限水準まで高まり、前週の79からさらに増えた。1年系列も前週の18から25へ上昇しており、今回は一時的な検索増だけでなく、やや広い関心にも波及している。ただし、検索増は買い需要を直接表さない。価格下落への不安や損失確認でも検索は増えるため、COT増加や価格反発を伴って初めて需要の強さと評価できる。

Gold/Silver Ratio (Stooq EOD close)

Source: Stooq end-of-day spot close series (xauusd / xagusd).

金銀比価は79.41で過去3年の37.02パーセンタイル、金WTI比率は39.42で同42.40パーセンタイルだった。どちらも長期分布の極端な位置ではなく、金だけが他資産から大きく乖離した状態とは言いにくい。需給面では「熱狂で買われ過ぎ」より、調整中に関心と建玉が戻る初期段階かどうかを見極める局面である。

⑥ 今週の洞察と来週の注目ポイント

前週は価格下落、COT減少、短期検索増という組み合わせだった。今週は価格が続落した一方、COTは増加し、補正後センチメントの週平均も明確なプラスへ改善した。変わらないのは、4,000ドル近辺が重要な境界であり、ドルと実質金利が金の方向を左右していること。変わったのは、売りに追随するだけでなく、下値で受ける参加者が現れ始めた可能性である。

来週は三つの条件を追う。第一に、3,900ドル近辺を保ち、4,000ドルを終値で回復できるか。回復できれば今週の下抜けは短期的な振り落としだった可能性が高まる。第二に、Money Managerネットロングが105,562枚からさらに増えるか。価格回復とCOT増加が重なれば、反発の持続性を評価しやすい。第三に、実質金利代理値が2.63%から低下し、ドル指数が過去1年の高水準から離れるか。この二つがそろえば、金へのマクロ逆風は和らぐ。

反対に、3,900ドルを割り、COTも減少へ戻り、実質金利が再上昇するなら、今週の心理改善は先回りの期待に終わる。現時点で底打ちは断定できない。ただし「価格が下がればすべてが悪化する」という前週の弱気構図も崩れた。次週は価格・ポジション・マクロのうち二つ以上が同じ方向を向くまで待ちたい。

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