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by tas

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金 週次レポート ▸ 2026-W45 (11/2〜11/6)

金価格は4.8%反発、COT減少と心理悪化が示す上昇の温度差

① 今週の一言要約

金は4,000ドルを回復した一方、COTの買い越しとニュース心理は後退しました。価格主導の反発が、投資家の確信を伴う上昇へ変わるかを見極める週です。

② 価格動向とチャート振り返り

今週の金は3,890.00ドルで始まり、4,074.90ドルで終了しました。週間騰落率はプラス4.75%。安値3,889.00ドルから高値4,155.80ドルまでの値幅は266.80ドル、始値比で6.86%に達しました。前週の終値3,898.90ドルからも水準を切り上げ、先週の観測条件だった「3,900ドルを守り、4,000ドルを回復する」は達成です。

ただし、値動きは穏やかではありません。20日実現ボラティリティは年率23.50%で、過去1年の55.34パーセンタイルでした。極端な過熱圏ではないものの、週中の上下を無視して終値だけを追うと、反発の不安定さを見落とします。3か月騰落率はマイナス7.80%、1年ではプラス1.77%であり、今週の上昇だけで中期調整が終わったとは判断しにくい形です。

Gold/Silver Ratio (Stooq EOD close)

Source: Stooq end-of-day spot close series (xauusd / xagusd).

週間価格は入力データの先物系列です。下の金銀比価で使うSpotは、StooqのEOD終値系列です。金銀比価は78.66と、前週の79.41から0.95%低下しました。金単独の上昇というより、銀にも資金が回った可能性を示す動きです。

③ 機関投資家の動き

11月3日時点のCFTC COTでは、Money Managerの買い越しは103,614枚でした。買い122,283枚に対し売り18,669枚で、ネットは前週から1,948枚減少しています。価格が4.75%上昇した週に、投機筋のネット買いが増えなかった点が今週の重要な温度差です。

前週は価格が下落する一方で買い越しが105,562枚へ増え、押し目を吸収する動きが見られました。今週は価格条件こそ改善しましたが、COTの増加確認はできませんでした。したがって「機関投資家が上昇を積極的に追った」というより、既存ポジションを保ちながら価格が戻った、と読む方が無理がありません。

建玉全体は399,169枚です。買い越し水準は過去1年の36.54パーセンタイルにとどまり、混み合いによる過熱感は限定的です。一方、買い余力があることと、実際に買いが入ることは別です。次週はネット買いが再び105,562枚を超えるか、少なくとも減少が止まるかを確認したいところです。

④ マクロ要因チェック

金を支えたのは、米金利の小幅低下と市場不安の急上昇です。米10年債利回りは4.90%から4.84%へ、実質金利の代理値は2.64%から2.60%へ低下しました。利息を生まない金にとって保有コストの圧力がわずかに緩んだ形です。金価格と実質金利・ドルの関係を整理した基礎編はこちらです。

一方、ドル指数は121.67で前週比0.06%安にすぎず、過去1年の97.13パーセンタイルという高水準です。ドル高の逆風が解消したわけではありません。損益分岐インフレ率も2.24%から2.23%へほぼ横ばいで、インフレ期待が金を強く押し上げたとは言いにくい状況です。

目立ったのはVIXが16.61から28.18へ69.66%上昇し、ハイイールド債のOASも3.32から3.48へ拡大したことです。原油は99.64ドルと小幅安でした。今週の金反発は、景気やインフレの楽観よりも、リスク回避需要と金利低下が同時に働いた可能性が高いと考えます。

Macro Tracker Card

Source: weekly input dataset; DXY, U.S. rates, VIX, WTI and credit spread snapshots.

⑤ 需給とセンチメント

ニュース36本を基にしたサイト補正センチメントの週平均はマイナス0.316、直近値はマイナス0.23でした。前週の週平均プラス0.302から明確に悪化しています。価格上昇と記事心理が逆方向に動いたため、今週はニュースの楽観が買いを煽った相場ではありません。

Google Trends 3M (gold price)

Source: Google Trends daily 3-month series (gold price).

Google Trendsの「gold price」は、3か月系列の直近値が71で前週86から17.44%低下しました。一方、1年系列の週次値は33で前週26から26.92%上昇しています。短期検索熱はピークから冷えたものの、より長い時間軸では関心が戻りつつあります。集計頻度の違う二系列なので、数値の絶対比較ではなく方向の違いとして扱います。

ニュース心理、検索関心、COTのいずれも全面的な強気を示してはいません。それでも価格が4,000ドルを回復した点は、悲観が残る中でも売り圧力を吸収した証拠です。需給の強さを断定するより、「心理の改善余地を残した反発」と位置づけるのが妥当です。

Precious Metals Combined Sentiment

Source: site-corrected article sentiment and Google Trends snapshots.

⑥ 今週の洞察と来週の注目ポイント

今週の発見は、価格が強いのに参加者の確信が追いついていないことです。前週は「価格安・COT増」という吸収局面でしたが、今週は「価格高・COT減・心理悪化」へ組み合わせが変わりました。反発の第一段階は価格だけで進み、機関投資家とニュース心理はまだ追認していません。

強気シナリオでは、4,000ドルを終値で維持し、4,155.80ドルの週高値を上抜くことが最初の条件です。そこにCOT買い越しの減少停止、実質金利代理値の2.60%以下への低下、サイト補正センチメントのマイナス幅縮小が重なれば、反発はポジションを伴う上昇へ移ったと判断しやすくなります。

中立シナリオは、3,900〜4,155ドルの範囲でもみ合い、COTとセンチメントが底固めする展開です。この場合、今週の上昇は調整後の価格発見として意味を持ちますが、方向確定には時間が必要です。

弱気シナリオは、4,000ドルを再び割り、さらに3,889ドルを下回ることです。COT買い越しの続落、実質金利の2.64%超への反発、VIX低下で安全資産需要が薄れる動きが重なれば、今週の反発は一時的だった可能性が高まります。

来週は値段そのものより、価格・COT・心理の三つが同じ方向へそろうかを見ます。4,000ドル維持だけで強気を決めず、買い手の参加が数字で確認できるかを優先します。

X向けタイトル: 金4.8%反発、COTと心理は逆行

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